ひたすらSpecial本のコンテに没頭している。
第10章まで上げて、現在、第11章をやっている。
コンテは順調に上げているのだが、問題はペン入れの方だ。
わしのペースに全く追いついてこない。
以前は、わしがスタッフに追いつかれそうで、必死で逃げ
切るというようなこともあったはずなのに、仕事場に
コンテだけがどんどん溜まっていくという状態だ。
やけにペン入れが遅いと思っているのだが、『大東亜論』の
完成した原稿を見ると、その絵の完成度に思わず唸ってしまい、
顔がほころぶ。
わしも単純なのだが、絵が期待値を超えると、瞬間的に機嫌が
よくなってしまい、スピードの遅さには目を瞑ってしまう。
こんな状態では、一年に一冊出すのがやっとだろう。
漫画なんか博打と同じで、描いて、出してみないと何が当たる
かわからない。
時代の空気の変化というものがあるから、多作であることが
一番重要なのだ。
時代の空気の要請と一致するまで描き続ければいいのだ。
幸いにも、わしは描きたいアイデアが頭の中で溢れ返っていて、
スタッフの手が速くなれば、いくらでも描くことができる。
『ゴー宣』シリーズも色んなテーマで論じることが出来るし、
まったくのフィクションでもアイデアが溜まっている。
『おぼっちゃまくん』を連載することも可能だろうし、
まだ世に出していないギャグ漫画のキャラのイラストまで、
ストックしている。
ただひたすらスタッフのスピードだけだ。
還暦過ぎてどういうわけだか、頭脳の回転率が高まったようで、
しかも昔のように煩悩が大きすぎることもない。
わしは絶好調なのだが。